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個人誌の詳細です。
「やさしい檻」(Fahrenheit個人誌) 76P R18 700円 ロイとエドが義理の兄弟という設定です。 遊びで書いてて拍手にUPしていたものの加筆修正版。 ・・・というよりは、もう書き下ろしの中にUPしていたのが埋まっている感じです。 いや、だって、オンで上げてたのをオフ用に直した時は、13Pでしたからね(遠い目) どんだけ増えたっ?!みたいな・・・。 オンでUPしているものより、かなり印象が変わるんじゃないかと思います。 基本的に、ロイがエドを好き過ぎて堪らない感が出ていたら成功だと思います。 また仕事から帰って、お返事をさせて頂いたり、オフライン弄って、つぐみさんとの合同誌の詳細も載せたいと思います。 以下は個人誌「やさしい檻」のサンプルです。 ↓ 「やさしい檻」一部抜粋 自分の想いは、エドワードを傷付ける。 泣かせたくない。何の翳りも無く笑っていて欲しい。 そう願っているのに、自分の想いを知れば、弟は確実に傷付いてしまうだろう。 傷付けたい訳ではない。それなのに、止まらない。 この想いを捨てられるなら、その方法を教えてもらいたい位だ。 それが分かるなら、取り縋り、懇願してもいい。 エドワードに惹かれていると気付いたあの日から、己の保持すべきプライドなど何処にも無いのだ。 愚かだと嗤うなら嗤え。 他人にどう思われようが、構うことはなかった。 ただエドワードだけが大切で。 弟の前で、兄としての顔を平然と繕えるならば、それでよかった。 何食わぬ顔で、弟の恋路を邪魔している。 恋に発展する前に、その芽をわざと潰していると知れば、エドワードは自分を許さないだろうか。 いや、気付いている様子なのだが、何も言ってはこない。一体何を思って黙っているのか。 恋人になる可能性のある人間を兄にわざと奪われているのだとは考えていないのかもしれない。 この胸に沈めた澱んだ想いに気付かない限り、想像も出来ないのかもしれなかった。 何れ本気で嫌われてしまうかもしれないと思いながら、何も言われないから続けてしまう。 性質が悪いことは十分に承知している。 だが、エドワードの上っ面だけを見ているお子様には、弟は過ぎた代物だ。安易に渡してやるには勿体無い。 大人気ないと解っているが、それが本音だ。 だから、邪魔をする。 自分の周りに纏わりついてくる女に対するよりも、積極的に堕としにかかる。 といっても、ただ顔に微笑みを浮かべて、一言でも言葉を交わすだけでよかった。たったそれだけで、弟には見向きもしなくなるのだ。だから、女の気持ちなど容易には信用ならないというのだ。 そんなお手軽な人間達に、エドワードは渡せない。 そのような軽い気持ちで近付こうなど、許せる筈もない。 それを傲慢であると言われるなら、それで構わなかった。 「ぅ…、ん」 ギシリ…と音を鳴らし、ソファの上で寝苦しそうに身動ぐ姿に、思わず手が伸びた。 それは衝動。 抑制など振り切って、自分でも止める間もないほど、唐突に襲い掛かってきた。 青みを帯びたような美しい陶器のような肌にピタリと触れた手が、軽く痺れた。 「――― エド」 磁器で造られたヴィスクドールのように静かに横たわる弟に、そっと秘やかな声を掛けたが目覚めない。 微かに震える指先を伸ばし、二度と触れないと誓った銀朱の唇に指腹で触れた。 「ッ」 温かく柔らかい感触に息を詰める。 そして、その輪郭を辿るように指を這わした。 唇の隙間から指に掛かる湿った吐息に、内臓が焼けるように熱くなる。 「……エド…、エドワード……」 我慢出来なくなって、ロイはもう一度、大切で堪らない人の名前を低めた声で呼ぶ。 制止する己を振り切り、ソファの座面に片膝を乗せ、細い身体に覆い被さる。 ギシリ…、と乗せた片膝の下で響くソファの沈む音は、己を止める材料にはなりえなかった。 顔を傾け、唇に触れる寸前で、詰める顔の距離がピタッと止まった。 「……」 思い出されるのは、自分を信頼しきったように向けてくる衒いない無邪気な笑顔。 そして、驚きから大きな瞳が零れ落ちそうなほど瞠られた双眸。 「――― すまない」 感情を押し殺した掠れた声で囁いたロイは、柔らかな唇を大きな手で覆い、その甲の上からそっとその唇に口吻けた。 PR この記事にコメントする
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